ウラシマ・エフェクト

竜宮から帰って驚いたこと。雑感、雑想、雑記。

ウィーン

サライェヴォ事件とフランツ・フェルディナント大公の明治日本

第一次世界大戦は、一発の拳銃弾から始まった──と言われる。 6月28日は、その記念日。1914年、サライェヴォにて、帝位継承者フランツ・フェルディナント大公が殺害されたのである。 報復としてセルビアに対し宣戦布告したとき、当のフランツ・ヨーゼフ帝は、…

クリスマスには鯉(2)

クリスマスは、異教の冬至の祭りに由来する。ジェイムズ・フレイザーなどを読むと、そういうことが延々と論証されている。のち、それをキリスト教会が採り込んだものであると。 中部ヨーロッパにおいて、クリスマス・ディナーのさいに鯉をたべる慣らいがある…

アードルフ・ロース生誕150周年

当世の流行りとはいえ、銅像を打ち倒す運動には賛同しかねる。偉大な篤志家であったが奴隷も所有していた──ということになると、ヴァンダリズムの対象になるらしい。だが、200年も300年も遡及して往時の常識を今日の価値観で断罪することに、妥当性は微塵も…

病に効くスープとは

身内が入院することになり、欧州と日本を往来する生活にはいった頃の話である。当時「手術後に咀嚼できぬ者が、栄養を摂って次の手術に備えなければならない」という難問が持ち上がった。 何年も経ったいま現在でこそ、大手食品メイカーの多くが嚥下食と呼ば…

ヨーゼフ帝の鋤車

プラハの旧市街広場に、1918年に破壊された聖マリア柱が戻ってくるらしい。再建のための予備的な発掘調査が始まったという報道があった。チェコスロヴァキア建国当時、軍団あがりなどという輩を中心とした群衆によって「愛国無罪」的な破壊行為が横行し、貴…

ペスト柱

オロモウツの「この上なく神聖なる三位一体の柱」(Wikimedia) 新型肺炎ともコロナウイルス感染症とも通称される疫病が猛威をふるっている。中国ではすでに百人を超える死者が出ているという。日本はおろか、先日ついにウィーンにも上陸したという報道があ…

世界でもっともうつくしい女

100を超える博物館施設があるというウィーンに、日本からやってくるひとは多いが、ユダヤ博物館をふらり訪れる者は、むしろ稀だろう。けれども、ウィーン市立博物館で町の歴史を概観したあとなどにゆくと、意外な発見があって、ユダヤの艱難の道のりを知る以…

ザッハートルテ【麦酒】

Lucky Bastard/ Hellstrok Sacher dort ザッハートルテといえば、ささやかではあるにせよ、ウィーン観光の目玉のひとつで、これをアインシュペンナーやメローンジュと呼ばれるコーヒーといっしょに試食するのを、世界中からやってくる観光客がたのしみにして…

ニキ・ラウダ逝去

ニキ・ラウダが亡くなった。昨夏の肺移植手術、そして今年の1月には入院したという報道もあり、健康が心配されていた。やはり1976年の事故が遠因であろうか。 アーノルド・シュワルツェネガーと並ぶ、現代オーストリアの著名人──というふうにORFのニュースで…

中欧・鉄道テロ未遂犯の逮捕

ドイツ鉄道が誇る高速列車・ICE(イメージ) シリアでは、イスラーム国(IS)の拠点がすべて制圧されたと伝わっている。BBCの記者は、これで終わりではない、と数日前、警告した。 www.bbc.com 予言を裏づけるかのような、逮捕劇が中欧で起きている。 ドイツ…

欧州で4番目にうつくしい階段→ (゚д゚)

TVシリーズ"Kommissar REX"はウィーンが舞台になっており、観光スポットもよく登場する。しかも、懐かしい2000年前後の町の様子が拝める。 あるエピソードで、事件の真相に注意が向かわず、現場に目がいったのは、階段に見おぼえがあったからだ。 目抜き通り…

ウィーンへ至る直行便事情

ANAの羽田=ウィーン線の運行開始が、2019年2月17日に迫っている。東京=ウィーンの直行便事情をまとめてみた。 そもそも、1989年以来、27年のあいだ日本とオーストリアを結んできた、オーストリア航空の成田=ウィーン線が廃止されたのは、つい、2016年9月のこ…