シリアでは、イスラーム国(IS)の拠点がすべて制圧されたと伝わっている。BBCの記者は、これで終わりではない、と数日前、警告した。
予言を裏づけるかのような、逮捕劇が中欧で起きている。
ドイツにおいて鉄道をねらったテロに関わった咎で、ふたりの男がプラハで逮捕されたのだ。
記事を読んでいるとこれが、映画か、刑事ドラマか、というような経緯だ。
2019年3月27日水曜日、プラハ=ルズィニェのヴァーツラフ・ハヴェル国際空港に降りたった直後、ふたりは地元警察に拘束された。ドイツの高速列車、ICEへのテロ攻撃 に関与した疑い。オーストリアの憲法擁護及びテロ対策庁から発給された、ヨーロッパ共通の逮捕状にもとづいた逮捕だった。
2018年10月7日、ニュルンベルクとミュンヒェンの間の線路上に、直径0.8センチの鋼鉄製のワイヤーを張った。ワイヤーが脆弱すぎたために、列車も乗客も影響を受けず、通過した。12月23日には、ベルリーンの線路上に、同様にワイヤーを仕掛けたが、これも失敗に終わった。現場で、ISの旗が描かれた犯行声明文が発見されている──と報じられている。
じつは、月曜日にウィーンで別の男が、オーストリア共和国・対テロ特殊部隊コブラによって逮捕されていた。男がコピー店で手紙を複写した際、原本をコピー機上に忘れていった。ここから検出された指紋が、ドイツの警察のデータベースにあった現場に残された指紋と一致したことが決め手となった。この42歳のイラク人が、プラハで拘束されたふたりと共謀してテロ攻撃をおこなったとされているが、当人は否認している。
男は、サッダーム・フセインの後継者と目されていた。バグダード生まれ。訓練を受け、15年ものあいだ軍に奉職。2012年、亡命をもとめてオーストリアに入国する。その後、民間の警備会社に勤務し、家族をもうけた。先日のクライストチャーチでの銃乱射事件の際には、武器をとって復讐するよう、Facebookをつうじて、ムスリムたちに呼びかけていたという。
参考)