ウラシマ・エフェクト

竜宮から帰って驚いたこと。雑感、雑想、雑記。

Entries from 2022-01-01 to 1 year

チェコ共和国の「無神論」

photo by Darya Tryfanava 折に触れ、宗教やカルト信仰といった話題がもりあがる。目下の議論のきっかけとなったのは、安倍氏暗殺の被疑者の生い立ちが注目をあつめたためであることは言うまでもない。 ところで、チェコ共和国という国にながく居ると、近年…

チェコ共和国軍、F-35導入へ

photo by MICHELLE HN チェコ共和国政府は、第五世代戦闘機・F-35導入の方針を決定した。 ペトル・フィアラ首相とヤナ・チェルノホヴァー国防大臣が、先日就任したばかりの参謀総長・カレル・ジェフカ少将をともなって、7月20日、閣議後の会見で発表した。 …

サライェヴォ事件とフランツ・フェルディナント大公の明治日本

第一次世界大戦は、一発の拳銃弾から始まった──と言われる。 6月28日は、その記念日。1914年、サライェヴォにて、帝位継承者フランツ・フェルディナント大公が殺害されたのである。 報復としてセルビアに対し宣戦布告したとき、当のフランツ・ヨーゼフ帝は、…

タリアーンの謎──知られざるプラハ名物?

むかし、ある友人がプラハで雑誌の編集者として勤めはじめたころ、見つけたばかりだという酒場に招いてくれた。といっても、はなやかな表通りから脇へはいった路地裏の地味な店で、メニューの内容のほうも、建物の内装におとらず簡素なものだった。 どうやら…

カレル・クラマーシュ──ある親露派の末つ方

この5月下旬で没後85周年をむかえたとのことで、チェコ語メディアがカレル・クラマーシュについてとりあげていた。 クラマーシュについては、以前このブログでもアロイス・ラシーンの記事のなかで、すこし触れた。チェコスロヴァキア初代首相とはいえ、ちょ…

鷲は舞い降りた──ハイドリヒ、チャーチル、プーチン……?

photo by Untitled Photo ハイドリヒ プーチン チャーチル ハイドリヒ この週末のはじめ、5月27日は、アントロポイド作戦の決行から80周年という節目だった。 第三帝国の保護領時代のプラハにおいて、ラインハルト・トリスタン・オイゲン・ハイドリヒ(1904-…

婆やにでも言ってろ──荒唐無稽のファシズム

photo by Николай Иванов ロシア軍によるウクライナへの侵攻開始からはや、三か月が経とうとしている。 屋外ではすでに蒲公英が、さわやかな風に綿毛を飛ばしている。戦争が始まったときは、まだ雪すら舞っていたのに。現地の天候にしろ、戦況にしろ、はたま…

史劇におけるヨーゼフ2世

プーチンの為人が、急に注目されるようになった。それについての記事も急激にふえたが、読んでいるうちに「デプリヴァント」の概念を思い起こさせた。 それは最近、ヨーゼフ2世の人物像を造形するうえで、脚本家のミルカ・ズラトニーコヴァーが採用したもの…

イラーセク史観?

アロイス・イラーセク博物館の開館式典の様子(1951年)。中央にイラーセク、左右にクレメント・ゴットヴァルト(ゴドヴァルト)とヨシフ・スターリンの肖像が掲げられている。 ことしの3月13日は、ヨーゼフ2世の生誕281周年にあたっており、前日の3月12日は…

プーチニズムとチェコ共和国

photo by Nati Melnychuk 現代ロシアの統治体制を指して、プーチニズムなる術語も出来して久しい。定義によっては、スターリニズムとの類比もあるのかもしれないが、このところのプーチン大統領といえば、スターリンよりも、むしろヒトラーと対比されるのが…

ウクライナ侵略

photo by Austrian National Library 24日の朝、ブースター接種を受けてから丸一日以上すぎたというのに、倦怠感がつづいていた。 すでにロシア軍はウクライナへの侵攻を開始していた。 メディアで自説を開陳していた、おおかたの政治学者たちの予測は外れた…

ラム酒でつくる〈グロク〉と〈ヤーガーテー〉

photo by Maximalfocus ラム酒が、大陸ヨーロッパの内陸部で何世紀も愛飲されている──というと、奇妙に聞こえるかもしれない。 ラムは廃糖蜜から作られ、その原料となるサトウキビは、熱帯や亜熱帯、つまり欧州から遠く隔たった暖かい地方でのみ栽培が可能な…