ウラシマ・エフェクト

竜宮から帰って驚いたこと。雑感、雑想、雑記。

モラヴィア

モラヴィアとモラビア

photo by Vladimír Ješko ある日、グレート・ブリテン島の方言の分布をしめす地図がSNSで出回っていた。そこで示されていたのは、川を意味する"river"のことを、もっともふつうの口語において"water"と呼ぶ地域だった。けれども、全島でそう呼ばれるというわ…

クリスマスには鯉(2)

クリスマスは、異教の冬至の祭りに由来する。ジェイムズ・フレイザーなどを読むと、そういうことが延々と論証されている。のち、それをキリスト教会が採り込んだものであると。 中部ヨーロッパにおいて、クリスマス・ディナーのさいに鯉をたべる慣らいがある…

メタノール──モラヴィアの暗い影

photo by Migawka 2012年の「メタノール事件」とは、その名にあるメタノールが混入されたアルコール飲料によって引き起こされた惨劇であった。チェコスロヴァキアが民主化されて以降、もっとも多くの被害者と被疑者を記録した、チェコ共和国史上最大の刑事事…

プシェロフの虐殺

リモート劇『目撃者』 プシェロフの虐殺 その後 リモート劇『目撃者』 通話ソフトというのか、ウェブ会議アプリというのか、リモート勤務の普及にともなって、その手の仕組みを用いるひとは増えた。すっかり公演の減った演劇界でも、これを利用したプロダク…

冬のオロモウツと「民族の館」

モラヴィア辺境伯の記事を書いていて、オロモウツのことをおもいだした。はじめて訪れたのはもう、20年ほどまえの話である。つもった雪をみると、思い浮かぶ光景も多々あれども、どうしてゆくことになったことになったのかは、さだかではない。 当時オランダ…

モラヴィア辺境伯ヨープスト

photo by urashima-e いつぞやのブルノ市の広報誌の記事によると、モラヴィア辺境伯ヨープストが没してから、2021年は610周年になるようである。命日が1月18日だったというから、すでに幾日も経ってしまったが、とおいむかしの話であるからして、このくらい…

モラヴィアびと

photo by Jindra Buzek 日本人なのか、それともアメリカ人なのかなどと、人間はとかく他者にレッテルを貼りたがる── 大坂なおみの手記を読んでふと思い出したのは、個人的なモラヴィアとの因縁である。具体的には、四半世紀も前に読んだ同様の主旨のフレーズ…

王の道行き

気がつけばもう6月で、呆然とする。そんな向きも多いのではないか。季節のうつりかわりを感じさせる折々の催しなど、今年はことごとく延期や中止となった。──東京五輪の延期決定は3月24日だったが、ほか大陸欧州でもロックダウンのさなかにあって、4月21日の…

モラヴィアのワイン酒場 (1)

photo by Jindra Jindrich くだものの果汁は、それじたい単糖類を含んでいるから、抛っておけばアルコール発酵がすすんでしまう。それが、おなじ醸造酒といってもビールや日本酒とは異なる点で、そういう意味でワインというのは、もっとも原始的な酒に属して…

ペスト柱

オロモウツの「この上なく神聖なる三位一体の柱」(Wikimedia) 新型肺炎ともコロナウイルス感染症とも通称される疫病が猛威をふるっている。中国ではすでに百人を超える死者が出ているという。日本はおろか、先日ついにウィーンにも上陸したという報道があ…