ウラシマ・エフェクト

竜宮から帰って驚いたこと。雑感、雑想、雑記。

Entries from 2020-03-01 to 1 month

エドワード・ホッパーの距離感としじま

志村けんも命を落とした。幅広い年齢層によく知られた「国民的コメディアンの死」と報じられている。ニュースなど耳にはいらず遊び歩いている層も「バラエティ番組」の変化には気づくかもしれない。変わってしまった街の風景に気づいたときには、もう遅すぎ…

オヴ・ザ・コンプレックス

photo by Lisa scott あのね、フジナミがね…… ──などといわれても、何のことだか、ぴんとこないほどの野球音痴である。昔日の新日本プロレスにおける藤波辰爾の勇姿しか、思い浮かばなかった。とほほ。 しかし、ニュースを検索すると、おおよそ把握できた。…

ビハインド・ザ・マスク・2020

photo by Juraj Varga 世界中で一斉におなじことを体験する機会というのはめずらしい。延期になったオリンピックなど、スポーツ観戦ならあり得るが、それだって興味のない者は観ない。 こうなってみると、各国で焦眉の課題にのぼったのは、石油でも天然ガス…

チェコ語におけるドイツ語からの借用語

さいきん、Kurzarbeitというドイツ語がスラヴ語圏のメディアにあらわれるようになった。直訳すれば「短い労働」ではあるが、コロナ禍の影響で、賃金労働者の勤務時間が短縮されて稼ぎが減った分を、雇用主が解雇しないことを条件に国が補填するような仕組み…

カレル・チャペクとフゴ・ハースの『白い病』

感染予防のため、集会をとりやめ、人びとにお互いの距離を保つようにと、ときには政府首脳までもが直に呼びかけるなか、馬耳東風のていで遊び歩くひともいる。ドイツでは「コローナパーティ」なる語もできたそうだ。そういえば、若年層は罹りにくく、高齢者…

疫病神の正体

人間が右往左往していても、花は咲く。春である。もう春分か。夜桜をあてに暗くなってから散歩に出るのもわるくはないが──暗がりで疫病神に遭った人もいた。 『今昔物語集』に「或る所の膳部、善雄伴の大納言の霊を見たる語」というのがある。そこで疫病神の…

疫病神の道行き

WHOは、もはや事実を追認するだけの機関になりさがってしまったが、それでも認めるだけましだろう。コロナウイルスによるパンデミックの中心が大陸欧州に移ったことは、つとに明白であった。 学校の閉鎖は、日本政府が打ち出したときは批判の声もあがったが…

スペイン風邪と比べるなかれ……?

2020年3月13日、日経平均株価は一時1800円を超える大幅な下落を記録した。取引時間中としては1990年4月以来、およそ30年ぶりの下げ幅だという。 このところ英語圏の記事で目立っていたのは「コロナウイルスはスペイン風邪とは違う」というような論旨である。…

シン・コロナ

photo by Jens Johnsson WHOがとうとうパンデミック宣言を発出した、と報じられた。「世界的大流行」と定義されたところで、流行が止まってくれるわけでなし、株価とて上昇しはじめるわけでもあるまいが。多くの識者は主観的には、パンデミックといってよい…

ブレナー峠

国境のブレナー峠では、オーストリアの連邦警察が、イタリアからの旅客に検問を実施している。どちらから来て、どちらに滞在しましたか。そして、どちらへ向かわれるのですか──と聞くと『クォ・ヴァディス』を思い出すけれども、そんなふうに警官が車の窓越…

悪疫と報道

週明け9日のニューヨーク株式市場では、サーキット・ブレイカーが発動して売買が一時停止されるほどの急落で、過去最大の下げ幅を記録した。OPEC交渉決裂の報もあり、いよいよコロナ相場もここに極まれりといった観があるが、まだ先が見えたわけでもない。…

ハムスター三点盛り

photo by bierfritze 1) 捨てハムスター 2) ハムスター買い 3) ハムスター氏、the オンブズマン 1) 捨てハムスター イングランド北部・ダーリントンで、ゴールデン・ハムスターが18匹、ロボロフスキー・ハムスターが2匹、散歩中の犬によって発見された。3月3…

スロヴァキアの弾丸

報道によると、「飛翔体」という語が、ぴんとこないからというような理由で政府の発表から除かれたそうである。 北朝鮮がさかんに試射しているものは「ミサイル」と推定されようところだが、これは自衛隊用語ではよく「誘導弾」と呼ばれる装備である。したが…

閏日と政治

閏日たる2月29日を指す英語の「leap day」はジャンプ、跳躍の日という語感があるが、ドイツ語の「Schalttag」ではシフトする、スイッチの日、切り替えの日という感じだ。チェコ語では同様に「přestupný den」という。さいきん報じられてきた懸案の数々も、あ…