ウラシマ・エフェクト

竜宮から帰って驚いたこと。雑感、雑想、雑記。

プラハ

タリアーンの謎──知られざるプラハ名物?

むかし、ある友人がプラハで雑誌の編集者として勤めはじめたころ、見つけたばかりだという酒場に招いてくれた。といっても、はなやかな表通りから脇へはいった路地裏の地味な店で、メニューの内容のほうも、建物の内装におとらず簡素なものだった。 どうやら…

アロイス・ラシーン(2)──暗殺者・ショウパルの謎

「FN・ベイビー・ブラウニング」というのは、.25ACP弾を使用する小型拳銃である。 ブラウニングといっても、サライェヴォで帝位継承者フランツ・フェルディナントを屠って世界大戦への道をひらいた「M1910」でもなければ、諸国の軍隊で採用されるほど火力に…

イラーセクの風化

人間、意に反して何かをやらされたりすると、それに嫌悪感を抱くようになる。そこまでいかなくとも、飽きあきするようになる。──会社の仕事とか、学校の勉強とか、地域の活動とか、なんでもいい。それについて話題にするのはおろか、思い出したりもしたくな…

ヨーゼフ帝の鋤車

プラハの旧市街広場に、1918年に破壊された聖マリア柱が戻ってくるらしい。再建のための予備的な発掘調査が始まったという報道があった。チェコスロヴァキア建国当時、軍団あがりなどという輩を中心とした群衆によって「愛国無罪」的な破壊行為が横行し、貴…

チェコ最古の醸造所?

photo by urashima-e チェコ語にいう「klub」とは、便宜上「クラブ」と訳してしまうが、それで語感まで伝わるとはいいがたい。強いていえば、結社の自由というときの結社であり、ジャコバン・クラブとか、会員制社交クラブというときのクラブでもあって、一…

ミロスラフ・ティルシュの像

プラハの日本大使館に用事があって、なにも考えずに朝がた地方から出てゆくと、よりによって到着する時間帯が領事部の昼休みにあたっている──ということがよくあった。 そうなると、小規模な博物館やランチ営業で混み合う飲食店を除けば、時間をつぶす施設な…

ビロード革命30周年とマルチン・シュミートの謎

Photo by Kevin Maillefer 11月17日は「自由と民主政治をもとめた闘争の日」として、チェコ共和国の祝日となっている。ボヘミアとモラヴィアを保護領化したナツィのドイツ当局が、1939年にプラハの大学を閉鎖した日であり、また1989年の、世に言う「ビロード…

四半世紀とか30年とかのオスタルギー

令和元年11月10日、東京では、ひと月ほど延期されていた祝賀御列の儀が行われ、沿道にたくさんの人がつめかけたと報じられている。この光景は、1993年6月の御成婚のパレード以来であると伝えるメディアもあった。じつに四半世紀以上が経過している。 それに…

だめだコリャ。

チェコ語で「ズムルズレー・ラメノzmrzlé rameno」。ドイツ語では、英語からの借用で「フロウズン・ショールダーFrozen Shoulder」という。つまり、ヨーロッパ諸語ではたいてい「凍った肩」という謂いをするようだが、要は、日本語でいう五十肩、あるいは四…