TVシリーズ"Kommissar REX"はウィーンが舞台になっており、観光スポットもよく登場する。しかも、懐かしい2000年前後の町の様子が拝める。
あるエピソードで、事件の真相に注意が向かわず、現場に目がいったのは、階段に見おぼえがあったからだ。
目抜き通りのマリアヒルファーから折れると路地裏にすぎないが、そこにじつに印象的な空間がある。ユーゲントシュティールの装飾がみごとな屋外階段。
ウィーン市の説明によると、「2004年、この階段はイタリアの"Marketing e TV"社により、ヨーロッパで4番目に美しい階段に選ばれた」とある(1番目から3番目については言及されていない)。
テーオバルトガッセからフィルグラーダーガッセに下る階段がそれにあたる。フィルグラーダーガッセ8番と10番の建物のあいだに位置し、《フィルグラーダーシュティーゲ》と呼ばれている。
マクス・ヘーゲレ(1873-1945)の設計にもとづいて、1905年から1907年にかけて整備された。ゼツェスィオーン様式の特徴がちりばめられている。1981年に閉鎖され、1982年から1984年にかけて修復がおこなわれた。花崗岩の部材や、欄干、窓、門扉といった金属部分が比較的あたらしく見えるのはそのためだ。
なにか、「こっち見んな」といわれているような気もする → (゚д゚)