ウラシマ・エフェクト

竜宮から帰って驚いたこと。雑感、雑想、雑記。

Entries from 2021-01-01 to 1 year

アンドレイ・バビシュの壺皿(1)

photo by husnerova チェコ共和国政府が4月17日、ロシアの外交官18名に退去を命じた。それは2014年に国内で起きた弾薬庫爆発に、ロシアの機関が関与したことを理由にしていた。どうして今になって6年半ほど前の事件の真相が判明したのか、という素朴な疑問に…

ヴルビェチツェ爆破工作

photo by Umut İzgi チェコ共和国政府は、ロシアの外交官18人を国外に追放すると発表した。2014年に国内で起きた弾薬庫の爆破事件への、ロシア連邦軍参謀本部情報総局・GRUの関与が明らかになったためとしている。これを受けて反発したロシア側も、チェコの…

13時間

photo by Ahmed Almakhzanji アメリカ合衆国に関しては、ショッキングなニュースに触れたのち、何年も経ってから映画で事件の真相を垣間見ることはよくある。 ソマリアの一件がそうだった。たしかに特殊部隊・デルタの隊員の死骸がなぶられる映像は衝撃的だ…

デインジャー・クロウス──豪州の戦争映画

たまに戦争映画が観たくなる。 それも、戦争を背景としたコメディや恋愛ドラマではなくて、ちゃんとしたハードコアのドンパチがあるもの。いや、ドンパチだけのものがいい。 あらすじはお定まりで、戦場の平和な日常にいた部隊がある日とつぜん窮地に陥って…

ピストルとは何ぞや

先日、米コロラド州のスーパーで起きた発砲事件で、容疑者が使用したのがAR-556「ピストル」だとCNNで伝えられた。──コンパクトながら、どう見ても現代的なアソールト・ライフル(突撃銃)なのだが。誤記なのかとも思ったけれど、『ニューヨーク・タイムズ』…

チェコスロヴァキアの将星

〈Hoi4〉というゲーム セルゲイ・ヴォイツェホフスキー(1883-1951) リハルト・テサジーク(1915-1967) ヨゼフ・シュネイダーレク(1875-1945) ヴォイティェフ・ルジャ(1891-1944) 疫禍の春も3月にはいって早々、100万人あたりの死者数がベルギーを追い…

チェコ共和国と比例代表選挙

イタリアではひとあし早く「スーパーマリオ」政権が成立したけれど、今年はおおくの国で選挙を控えており、いっせいに国政の顔ぶれが様変わりすることもありうる。 ひと月ほどまえ、チェコ共和国の憲法裁判所が、平等な投票権と立候補の機会に反するとして、…

チェスカー・ズブロヨフカによるコルト買収

photo by Mike Gunner チェコ共和国の銃器メーカーである、チェスカー・ズブロヨフカ・グループ・SE(CZG)が、同業の老舗、米・コルト社(コルト・ホールディング・カンパニー・LLC)とそのカナダの子会社の全株式を取得すると報じられた。2億2000万ドル(…

プシェロフの虐殺

リモート劇『目撃者』 プシェロフの虐殺 その後 リモート劇『目撃者』 通話ソフトというのか、ウェブ会議アプリというのか、リモート勤務の普及にともなって、その手の仕組みを用いるひとは増えた。すっかり公演の減った演劇界でも、これを利用したプロダク…

鶏卵と動物の福祉

photo by Emiel Maters 鳥インフルエンザが猛威をふるっている。日本各地で感染が報告され、すみやかに殺処分の措置がとられている由である。 人間に感染する型もあるにせよ、そもそも鳥類のインフルエンザが変異してヒトに感染するインフルエンザが発生した…

冬のオロモウツと「民族の館」

モラヴィア辺境伯の記事を書いていて、オロモウツのことをおもいだした。はじめて訪れたのはもう、20年ほどまえの話である。つもった雪をみると、思い浮かぶ光景も多々あれども、どうしてゆくことになったことになったのかは、さだかではない。 当時オランダ…

モラヴィア辺境伯ヨープスト

photo by urashima-e いつぞやのブルノ市の広報誌の記事によると、モラヴィア辺境伯ヨープストが没してから、2021年は610周年になるようである。命日が1月18日だったというから、すでに幾日も経ってしまったが、とおいむかしの話であるからして、このくらい…

あいまいな私見の私

photo by Henning Sørby 各国でワクチンの接種も始まったというのに、終熄しそうでいてなかなかしないのが、パンデミックのパンデミックたる所以というところか。おなじコロナウイルスといっても、SARSは2002年に最初の感染例が報告された翌年に終熄宣言がで…

エピファニー

客席から手拍子がきこえぬ「ラデツキー行進曲」では、新年が明けた気がしない。 元日といえばウィーン・フィルハーモニー管弦楽団で、まいとしほろ酔いのあたまでノイヤールコンツェアトを聴くのが習慣である。といっても高価なチケットを入手して出かけるほ…