探査機「はやぶさ2」を、小惑星〈リュウグウ〉にタッチダウンさせる計画がすすんでいる──という報道があった。2月22日に予定されている。
閑話休題。さいきん飲んだ麦酒。
《ズラター・ラケタ》という名称は、「黄金のロケット」を意味する。液色からの連想でもあろう。
スタイルは、『ビアスタイル・ガイドライン1601』にいわれるところの、「アメリカンスタイル・インディア・ペールエール」で、麦汁糖度にしても、アルコール度にしても、またIBUも、その条件を満たしている。濃い黄色で、しっかりしたボディ。
使用されているホップは、シトラス系のアロマゆたかな品種のAmarilloとCitraに、香味も苦味もつよいColumbus。やや高めのアルファ酸の苦味が、柑橘とトロピカルフルーツの風味のあとに、ちゃんと訪れる。
Citraは2007年に登録された、比較的あたらしい品種だが、近年のクラフトビールのブームで、すっかりおなじみになっているし、さらにあらたな品種もごまんとでている。
世紀末カフェ文化の都、ウィーンにスターバックスができたときは、少々おどろいた。
同様に、麦酒といえば我流の「ピヴォpivo」一色だった、チェコ共和国にクラフトビールの一大ブームがやってきたときも意外ではあった。
引退したホッケーのスター選手などが、自分の名を冠した小規模ブルワリーを開いたのが象徴的だった。ブームに乗った起業は、「猫も杓子も」といった観があった。しかし、そうした醸造元の製品は、呑み屋ではいっちょまえの酒代を請求したが、とても飲めたものではなかった。
ともすると、水よりも身近な存在──という文化がたたって、「たかがピヴォ」と侮っていたのだろう。そういう連中は、おなじ麦酒といえども、ビールやエイルといった異文化を、まったく理解していなかった。けっきょく、しらないうちに連中は消えていた。いま市場で生き残っているのは、レヴェルの高いブルワリーのまともな製品のみだ。
なかんづく、このマトゥシュカだ。ラインナップは個性的とおもわれるかもしれないものの、はずれがない。