ウラシマ・エフェクト

竜宮から帰って驚いたこと。雑感、雑想、雑記。

クヴィトヴァー、証言台に立つ

 10日ほどまえに、全豪オープン決勝で大坂なおみに敗れた、ペトラ・クヴィトヴァーが、きょう(2019年2月5日)ブルノ地方裁判所で証言台に立った。2016年12月20日、暴漢に襲われた件。

 といっても、報道によると、ラヂム・ジョンドラ被告と隔離された場所での証言が認められ、カメラとマイクロフォンを駆使して、法廷の外からの証言となった。

 

裁判所をあとにするクヴィトヴァー

裁判所をあとにするクヴィトヴァー(www.idnes.cz/)

私はプロスティェヨフ市内のアパートにいて、そこで8時半ごろ呼び鈴が鳴った。ドーピング検査が来る予定だったので、インターフォンのところにゆくと、男が応えて、ボイラーの検査を実施しに来たといった。男をなかに入れてから、うちにはボイラーはないといった。かれはいぶかる様子で、湯も検査しに来たのだといった。不審におもって、管理人に連絡しようとした

 〔男は〕湯を出したがっていたが、次の瞬間には、のどもとに庖丁を突きつけられていた。それを両手でつかんだが、左手では刃も握ってしまった。手を離して転倒すると、あたりは血の海だった。カーペットのうえに携帯があったので、手を伸ばしたが、向こうはそれを阻止せんとした

 何がほしいのかと訊くと、かれは時間がほしいといった。私は、病院に行かねばならないので、時間がないということを説明しようと努めた。そこで、かねがほしいかどうか訊いた。するとかれは、いくらあるんだ、と。私が1万〔コルナ〕と応えると、かれは、じゃあそれでいいと。かねを渡すと、立ち去ったので、私は救急を呼び、さらに警察にも電話した

 ──などと『ムラダー・フロンタ・ネス』紙のオンライン版は報じ、被疑者はそうした証言を慎重にメモしていた、とまとめているが、『ブレスク』紙などは、法廷でのやりとりをほぼ時系列でより詳細に報じている。被告は事実関係すら否認している。

 

 全長25センチほどの庖丁で手を切られた瞬間には、傷を負ったとは感じなかったものの、「血を目にしたとたん、叫びはじめてしまった」という。

左手のすべての指を切ってしまっていて、親指と人差し指は神経に障害を負った。いまだに100パーセントは動かせないし、その二本の指の先端には感覚すら戻っていない

  

 報道のとおり、勇敢なひとだと誰もがおもっているはずで、それだから、全豪オープンはあれだけ盛り上がった。惜しくも大坂に敗れたが、これだけのハンデがあったわけだ。 

公式サイトより(http://petrakvitova.net/)

公式サイトより(http://petrakvitova.net/

www.afpbb.com

 どうでもいいことかもしれないが、日本の報道で気になるのは、やはり「クビトバ」の表記で、ほんとに「鮭トバ」じゃないんだから……。

 1990年代初頭の国語審議会で「ヴ」を使おうよ、となって、すでに四半世紀。どうしても新聞は使いたがらない。役所におもねって、「グルジア」を「ジョージア」にしたりするような、利便性を損なう各種の変更は、すぐやるのに。

www.idnes.cz

www.blesk.cz

 

*追記:

www.afpbb.com