ウラシマ・エフェクト

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チェコ共和国軍、トヨタ・ハイラックス導入へ

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Twitterより

 チェコ共和国国防省は先ごろ、GLOMEXミリタリー・サプライズ社(プロスティェヨフ市)を通じて、最大1200輛のトヨタ・ハイラックスを購入することを決定した。2年間のメンテナンスやパーツを含め、1輛あたりのコストは税込み89万3千チェコ・コルナで、合計約10億コルナ(およそ46億円)の契約となる見通し。年末までに締結され、来年から2024年にかけて受領する予定だという。

  旧ソ連製UAZや英ランドローヴァー・ディフェンダーを更新する計画は、2017年に発表があった。UAZ_469は、1970年代から使用されているロートルで、はじめソ連で、のちチェコスロヴァキア国内で生産された。1990年代以降、海外派兵の際も用いられてきたが、近年ではパーツの入手やメンテナンスのコストが課題となっていた。昨年には、この選考は決まっていたものの、年末に取り消され、先日、選定基準をあらためて実施されたのだという。その結果、10件の応募があったうちからハイラックスが選ばれた。

 近代的な自動車は軍の基盤であり、わが国の兵士たちが「四十年もの」の機材を今日まで使用していることは恥ずべきことである。我われは十のオファーから選考したが、保証された品質が確認できた車輛で有利な価格が提示されたものが勝利した──と国防大臣のルボミール・メトナルはコメントした。装甲は施されないものの、小銃受けを設けたり、軍で用いられる色に塗装する必要はあるとしている。色彩について地元の公共放送は「カーキ」と呼んでいるものの、想定画像の印象を日本語で表すとすれば、むしろ従来の装備同様のオリーヴ・ドラブにちかい色である。

 恥ずべきかどうかわからないが、たしかに地元の公共放送の取材に際して、UAZのエンジンがなかなか始動しない様子が収録されたようだ。自動車関係のサイトを参照するところ、おおかたファンベルトの劣化に起因するらしい、きゅるきゅるきゅる……という音をむなしく発するのみであった。老朽のため更新が急務であるという、国防省の主張が映像でも裏づけられたかたちである。

 自衛隊には〈高機動車〉というのがあるけれども、トヨタ車は民間仕様の車輛であっても、すでに世界中の紛争地帯で信頼性が証明されている。ことし夏ごろ、三菱自動車パジェロの国内工場を閉鎖するという報道があったが、そうなると三菱製〈73式小型トラック〉ないし〈1/2tトラック〉の後継として、ハイラックスという選択肢も今後ありうるのかもしれない。もっとも、次代はEVの世になっているのであろうか。

 やはりこのご時世にあって、ハイラックス選定の理由として燃費も評価されたことも明かされた。ちなみに搭載エンジンは2,4リッターのディーゼルであると伝わっている。

 なお、件のGLOMEX社というのはまた、日産車をおなじく改造してポーランド軍に納入する契約もことし勝ち得ており、日本政府が頭を悩ます防衛装備品の輸出も、地味な民生品の転用というところではあんがい好調なのだとわかる。問題は、このG社が日本企業ではないという点か。

 

*参照:

www.glomex-ms.com

www.idnes.cz

www.idnes.cz