ウラシマ・エフェクト

竜宮から帰って驚いたこと。雑感、雑想、雑記。

シェレメーチヴァの航空機火災

 現代の旅客にとって、航空機火災ほど恐ろしいものも、そうあるわけではない。

 日本では、いわゆる「10連休」の最終日。欧州では、日曜日と対独戦勝記念日に挟まれた月曜日という日にはいってきたニュースは、モスクワで起きた悲惨な航空機事故だった。

 

 アエロフロート・ロシア航空のSU1492便がムルマンスクに向け、シェレメーチヴァ国際空港を出発後、落雷によるものとも報じられているが、何らかの異常をきたし、すぐに引き返し緊急着陸をするも着陸時に出火、炎上した。脱出できたひともいたが、41人が死亡した。

 

 機材はスホーイ・スーパージェット100。ソ連崩壊後のロシア航空業界の威信をかけて開発されたが、2012年にインドネシアで、売り込みのためのデモ・フライト時に、サラク山の切り立った断崖に激突するという事故を起こした。それかあらぬか、セールスは不振だったという。

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 航空機火災といえば、古くは1937年の「ヒンデンブルク号爆発事故」が歴史上よく知られているが、2000年の「コンコルド墜落事故」もそうだったし、近年では貨物のリチウム電池に起因する事故もたびたび起きていて、2010年の「UPS航空6便墜落事故」が記憶に新しい。

 今回は、着陸するまで出火していなかった模様だが、離陸直後には上空でなんらの火災も発生していなくったのかどうか──1991年の「ナイジェリア航空2120便墜落事故」は離陸中にタイヤの破裂から出火したし、1985年の「ブリティッシュ・エアツアーズ28M便火災事故」はエンジンが元であった。

 また、この事故は、空港に居合わせたひとの映像のみならず、乗客が撮影したと思しき機内の映像までもが、すぐにYouTube等で公開されているところが衝撃の度を高めた。こうしたものは、ナショナル・ジオグラフィックの「メーデー!:航空機事故の真実と真相」などで再現映像を観るまでは、ふつう目にすることがないわけだから……。

 

 今回も航空事故調査の専門家諸氏が真相を解明するのを待つしかない。そして、次回、飛行機を利用するときは各座席に備えてある「安全の手引き」を熟読したい。

 

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