ウラシマ・エフェクト

竜宮城から帰って驚いたこと。雑感、雑想、雑記。日欧ブログ……?

「トロッコ問題」における大阪モデル

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photo by Marina Pershina

 窓を開け放てば、初夏の日差しを感ずるのもふしぎはない。すでに5月なのである。

 ドイツ語圏の報道記事に「lockern」という語が出てくるようになって久しい。コロナ対策の各種規制を「緩和する」という話題にほかならない。数字を参照するかぎり、初期の封じ込め戦術が奏功したようにみえるオーストリアなどでは、その傾向が顕著である。

 ここで面白い語は「Fenstertag」である。直訳すると「窓日」となるが、休日にはさまれた平日を意味しているから、日本語の「なか日」に相当する。相場のチャートで、前日のロウソク足の上値あるいは下値を飛び越えて線があらわれたときに「窓があく」などと日本語でも表現するが、そういうイメージかもしれない。ところがこれはきわめてオーストリア的な謂いで、連邦ドイツでは「Brückentag」という言い方がつかわれる。直訳するに「橋日」という感じで、休日と休日の両岸にわたした橋のような日であって、この日に休暇をとって連休にしてしまうのがつねである。──学校は今後、この「窓日」返上で授業を実施して遅れを取り戻す予定、と伝えられている。具体的には、2020年5月21日のキリスト昇天祭と、2020年6月11日の聖体祭が念頭におかれている。どちらも木曜日で、直後の金曜日が件の「窓」ないし「橋」ということなのだろう。

 さて、いずれにせよ「出口戦略」などと言うと、誤解が生ずる。ワクチンの完成までの道のりを眺めるに、かならずしも先が見えているわけではない。何年かかるものか、現状で正確に予言できる者もない。

 もちろん、各国の数字を単純に対比して、いずれの政策が優れているかと論ずるのは意味がない。各国政府とも戦略目標や戦術が異なるのだから。たとえばスウェーデンは、多くの死者を出しながらも、市民の行動に制限を設けていない。ブラジルも、州ごとに対応はさまざまながら、連邦政府レヴェルではロックダウンの方針は採っていない。「E daí?(だから何だ)」という、死者の数を聞いた際の大統領の反応にもあったとおり、そういう政策なのだ。

 日本に目を転ずれば、政府は5月4日に、緊急事態宣言の延長の方針を表明する予定らしい。──いわゆる実効再生産数が「1」を下まわっているのに……と多くの国民は、この決定に首をひねったのではないか。

 感染症で生命を落とす者と経済で生命を落とす者とのあいだの「トロッコ問題」において、線路を切り替える重責を担う政治家は、その決定の根拠を明瞭に示す必要があろう。

 だが、それを示し得たようにみえるのは内閣総理大臣ではなく、大阪府知事であったように思える。国の方針を踏まえながら、後日「大阪モデル」を明らかにしたいと、吉村府知事は記者会見で表明した。これに際して、知事が参照している指標は明確にされていた。すなわち、中等症以上の患者への対応余力、端的には病床の利用状況。くわえて、検査における陽性者率。そして、クラスター対策における感染経路不明者の数、であった。けだし合理的で、どうして国がこれを示すことがなかったのか、わからない。

 

*参照:

www3.nhk.or.jp

www.nikkei.com

www.sankei.com

jp.reuters.com

www.medrxiv.org

www.cnn.co.jp

www.newsweekjapan.jp

www.afpbb.com

www.cnn.co.jp

www.nikkeyshimbun.jp

www.nikkei.com

www.nikkei.com

www.nikkei.com

www.dailyshincho.jp 

www3.nhk.or.jp

  

*追記:

www3.nhk.or.jp

www3.nhk.or.jp

 

*追記2:

www.youtube.com

大阪府の吉村知事は外出などの自粛について

独自の解除基準となる『大阪モデル』を示しました。

『大阪モデル』では医療崩壊を防ぐため独自の3つの指標を設定しました。
それによりますと
・重症者の病床使用率が60%未満
・直近7日間の平均で感染経路不明者の数が10人未満かつ
・陽性率が7%未満であることです。

この3つの基準を7日間連続で下回れば
自粛を段階的に解除していくとしています。

吉村知事は今月15日にも解除の判断をするとしています。

  ──大阪が独自の解除基準「大阪モデル」公表

www3.nhk.or.jp