きょう、2019年2月25日、創業100周年を迎えた航空機メーカーがある。
アエロ・ヴォドホディ社がそれで、現行の名称を、AERO Vodochody AEROSPACE a.s.と称する。1919年2月25日、チェコスロヴァキアで設立された。プラハ近郊、人口6000人ほどの町、オドレナ・ヴォダに拠点を置く。こんにちまで通算で1万1000機を製造してきたという。
"Ae-01"機こと、第一次世界大戦で使用された複葉機であったハンザ=ブランデンブルクB.Iのライセンス生産から出発した同社。だが、もっとも知られているのは、単発ジェット練習機、L-39アルバトロスにおける成功であろう。1970年から1999年にかけて、およそ2900機が製造された。初飛行は1968年ながら、いまだに旧共産圏を中心に世界各国で多数が運用されている。さらに、派生型のL-59 スーパー・アルバトロスや、その発展型L-159 ALCA、近代化型L-39NGも開発、少数ながら輸出にも成功している。
2018年夏には、英国ファーンボロ国際航空ショウにて、その性能向上型多目的機、F/A-259ストライカーを発表した。イスラエル・エアロスペース・インダストリーズ(IAI)社と共同開発の形をとり、近接航空支援や国境監視任務などに主眼をおいていると伝えられている。
ほかにも、エアバスA220(ボンバルディアCシリーズ)の翼部や、UH-60Mブラック・ホークのコックピットなどの部品を供給しており、軍用双発輸送機、エンブラエルC-390の開発にも参画している。
冷戦時代のワルシャワ条約機構の枠内では、練習機の域内への供給だけでなく、たとえばMIG-15からMIG-21までのライセンス生産という役割を担ったにしろ、現在にいたっても小国の航空機メーカーが生き延び、成功しているというのも、いささか驚くべきことではないだろうか。
軽攻撃機、L-159 ALCA